さて、みなさん、シルクのイメージといえば、高級、きれい、光沢、肌になじむ感触でしょうか。じつはシルクには意外な優れた機能があるのですよ。
シルクはカイコが口から吐き出す糸なのです。カイコがサナギになるために、自分で吐き出した糸で繭(まゆ)を作るのです。白くて丸い繭を作るのです。繭は中のサナギを守るために優れた機能を持っています。たとえば繭の中の温度や湿度を一定に保つ。太陽の紫外線をカットする。カビや害虫の侵入を防ぐ。サナギは無防備なので、繭が天然のシェルターになるわけです。こうした繭の優れた機能は中のサナギを守るために必要なのですね。サナギにとって繭は、安心して眠れるゆりかごであり、外の刺激から守ってくれるシェルターでもあり、成長できる環境を守ってくれる、つまり母親みたいなものなのです。
こんな繭から糸をほぐしたものがシルクです。シルクは水分を吸収する力が強く、吸った水分を放出する力も強いのです。繭がサナギを守るために湿度を一定に保つよう、糸が呼吸しているのです。この特徴は綿よりも優れています。
シルクはサナギを傷つけないように表面が滑らかです。これは肌にとっても優しいもので、肌に触れてもチクチクした刺激を受けることがありません。
シルクはタンパク質で出来ています。つまり肌と同じような組織なのです。タンパク質は水分との相性がよく、肌への化学的な刺激も少ないので肌触りがよいわけです。
シルクは摩耗に弱く、使っているうちに毛羽立ってきます。この細い糸は肌をやさしく擦り、汚れを落としてくれます。使い込むほど肌になじみます。
またシルクの糸は三角おむすびのような断面なので、汚れをとりやすい形でもあります。
夏、汗をかくと汗臭くなりますね。特にジトジトする部分が臭います。これは湿った高温の環境で、雑菌が繁殖するからなのです。そんな湿った状態を改善するにはどうしますか。薄着にしたり、エアコンを入れたり、扇子であおいだり、いろいろ方法がありますが、それにも限度がありますね。シルクの下着や衣服なら吸湿性が良いので、湿りを減らして雑菌の繁殖をおさえることができるのです。またシルク自体には抗菌性があり、それも良い作用をします。アトピーの方は肌を清潔にしておくことが大切ですので、夏はできるだけ雑菌が繁殖しないように、シルクの肌着を使うことも良いと言われています。
その他にも、シルクは保温性が良い、紫外線を吸収する、静電気を起こしにくいなどの性質を持っています。
このような絹の特性をいかして、様々な用途の検討が進んでいます。
化学繊維は優れた機能を持っていますが、絹は人に優しく優れたものなのです。そして絹は自然素材ですので、燃やしても有害ガスを発生せず、環境にも優しい繊維なのです。
絹はアトピーの症状軽減にもよく、抗菌作用、吸湿性放湿性良好、保温性に優れ、紫外線カット、静電気防止、汚れとり、床ずれ軽減など他の繊維にはない特性を持っています。また最近では、化学物質過敏症の原因となる空気中の有害物質を吸収する作用も確認され研究されています。
またシルクを加工してパウダーにして、食用や化粧品などに添加して使われています。
シルクはタンパク質なので、それを加工しアミノ酸に分解したのがシルクパウダーです。シルクパウダーは必須アミノ酸や良質アミノ酸が豊富に含まれています。またアミノ酸の分子が細かいので非常に吸収率が良いのも特徴です。シルクパウダーは殆ど天然のアミノ酸なので、低カロリーで身体に必要な栄養補給ができるのです。アミノ酸は身体にとって重要な栄養で、健康にはなくてはならないもの。また、ダイエットにもよく、体力増進にも必要なものでもあります。
このように天然タンパク質の絹は、肌触りが良く、美しいだけでなく、様々な用途にご利用になれます。 |